教師の恋愛日
パッと顔を上げて、食い入るようにジリジリと、体を押し進めている。
「俺が大人だったら?」
「…考えたかもね、大人だったら」
右頬に一筋、生暖かい涙が流れ落ちた。
期待させる言葉だって分かってる。
美保の心のどこかに、諦めない舞矢がまた、ちょっかい出して来るのを望んでいるんだ。
教師として、失格だ。
「センセイ、泣きたいのは俺なんだけど…」
「あ、ごめん」
急いで頬に流れる涙を拭う。
それを見てた舞矢の頬が緩んで、口角がニッと上がった。