教師の恋愛日

「目が真っ赤ですよ?」

覗き込むように美保を見上げると、自分の目尻を指差して、弄らしく言う。

「誰のせいですか?」

「俺じゃない」

見下すような態度でキッパリと言い放つ。

そんな舞矢を見上げる美保。

クスッと、二人して頬を緩ませて笑うと同時に、学校中にチャイムが響いた。

「行きたい高校が見つかったら教えて」

「うす」

彼らしい、無邪気な笑顔で答える。

思わず溢した笑みのまま、美保は舞矢の背中を見送った。

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