教師の恋愛日

{舞矢君?}

距離が遠くてまだ小さいが、あれは完全に舞矢に見える。

少しだけ胸が高鳴るのを感じながら歩き続けていると、グイッと腕を引っ張られた。

{ぅわ!?}

引っ張ったのは橘先生だった。

「大丈夫ですか先生、よろけてるじゃないですか」

{それはてめえが引っ張ったからだろ}

内心そんなことを考えていると、自分の背中を、橘先生の胸に預ける形になってることに気が付いた。

{恋人か!}

勝手に突っ込むと、通り過ぎる生徒がこれを見て「ヒュー」とか、「学校でイチャつかないでください」だとか、はやしたててきた。
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