教師の恋愛日

また駐車場まで歩こうと振り返ると、前から舞矢が近付いてくる。

{絶対に見られた}

下を見ながら歩きだし、舞矢と擦れ違ったが、特に何もなく、美保は駐車場に着いた。

{もうやだ……}

滲み始めたものを堪えて目を見開き、美保は病院へ向かった。


インフルエンザではないことを学校に連絡し、今日と明日の休みを貰った。

ベッドにダイブすると、安心したのか堪えていた涙が溢れだしてきた。

橘先生に触れた場所を激しく擦る。

嫌いじゃないんだ。

なのに、その触れた箇所の相手が舞矢じゃないことに、酷く嫌悪感を抱いた。

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