教師の恋愛日

頬も唇も涙でびしょびしょだ。

泣き疲れた目を閉じて、そのまま眠ってしまった。


3日後からの美保は、変わらず仕事に明け暮れた。

卒業式の準備や、生徒達への対応、橘先生からの誘いを受け流して、日々を進めた。

舞矢のことはもう、“普通”の生徒になっていた。


「先生、今までありがとうございました」

「「ありがとうございました」」

卒業式で退場する前に叫んだ言葉を、もう一度教室で伝えてくれる。

女子はもう言葉が出ずに泣き崩れ、男子は袖で涙を拭いながら顔を真っ赤にしてる。

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