【完】時を超えて、君に会いに行く。


刻一刻と、時はきざまれる。



美術室の時計の秒針がなるたびに、私の心に焦りが募る。



妙な焦燥感に駆られた。



……このままでいいのかな。


机の奥に、ひっそりと隠していた原稿用紙を手に取る。



月曜日から、ずっと手をつけてない小説。



このまま、この物語は未完成のままなのかな。



なぜだか無性に、胸が痛んだ。


悲しいとか、苦しいとかじゃない。



ただただ切ない。

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