【完】時を超えて、君に会いに行く。

それだけじゃない。


この状況、いつの日かとかぶる気がする。



……いつだっけ?


私と航がケンカして、航と沙奈がふたりで帰った日の翌日……。



そうだ、木曜日だ。


木曜日の朝、私が教室の前で航とはちあわせたときと、全く一緒だ。



「しっかりしろ!おい、未歩!」



遠のく意識の中、ぼんやりとそんなことを考えていた。



「どうしたんだよ!未歩!」



航の声に反応すらできないほど、身体の力が奪われていくように……。



私は航の腕の中で、ゆっくりと目を閉じた。

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