【完】時を超えて、君に会いに行く。
でも、正直こんなことをひとりで抱えるのもしんどかった。
……助けて。
私は目の前にいる彼方を見つめた。
彼方なら……。
彼方なら、私の言葉を信じてくれる……?
他人とは少し距離を置いてるように見える彼方。
だからこそ、私は言いやすいと感じたのかもしれない。
航や沙奈という、大切な人に心配はかけたくない。
彼方ももちろん、大事な友達だ。
だけど、その中でも1番遠い距離にいる……。
近くて遠い距離感の彼方になら、言ってみようと思えたの。
「あのね、彼方……」
──ガラッ!
「未歩!」
だけど私の言葉は、保健室のドアを開けた航によって遮られた。