【完】時を超えて、君に会いに行く。




「あ……航……」



「目ぇ覚めたのか?大丈夫かよ!」



呆然としてしまってる私に、航が急いで駆け寄ってきた。



「未歩!大丈夫!?」



そのうしろには、沙奈もいる。



「心配かけてごめんね。もう大丈夫だよ」



とりあえず、ふたりに笑って見せた。



「お前ホントにしんどくねぇのか?月曜からずっと体の調子悪いだろ?
倒れるまで無理すんな……!すぐに俺に言えよ!」



よくよく航を見てみると、走っていたせいか、息が切れて髪も乱れている。



……心配してくれたんだ。



そんなちょっとしたことが嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。



「ありがとう航。ホントにもう、大丈夫だから」



ねぇ、だから……。


私の前からいなくならないで、ずっとそばで笑っててよ。



続きの言葉は、言えなかった。


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