【完】時を超えて、君に会いに行く。

モヤモヤとする頭の中。



よくわかんなくて、必死だった。



前を見てなくて、うつむきながら走ってた。



だから気づいてなかったんだ。




……車がすぐそこに迫っていたことに。





──キイィ……!




今までに聞いたことのない、鼓膜が張り裂けそうな嫌な音が、この空間に響き渡る。




……えっ?





「未歩っ!!」





──ドンッ!



強く押されたと同時に、なにかにぶつかる鈍い音。



痛い。


痛い……けど……。




私は誰かに背中を押され、道路に倒れこんだだけだった。
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