【完】時を超えて、君に会いに行く。
「でも、本当に信じてもらえないような、ありえない話だし……」
今思うと、他人からしたら本当に時間の無駄になる話だ。
わざわざそんなくだらない話を聞いてもらうなんて、彼方にすごく申し訳ない。
「別にいいよ」
「えっ?」
「未歩が話したいことなら、なんでもいいよ。
なんなら作り話でもいい。未歩は小説書くの好きみたいだし、そういうの得意そう」
「……?」
「俺ね。わりと本とか読むの好きなんだよ。だから、ありえない話とか大歓迎」
「え! 彼方、本とか読むの?」
「読むよ。最近は陸上ばっかで読めてないけど、けっこう好き」
「……へぇ。 そうなんだ」
なんというか、意外だ。
私って全然、彼方のこと知らないんだな。