【完】時を超えて、君に会いに行く。
「あのね。すごくくだらない話なんだけど、話したら長くなりそうだから……彼方が部活終わるまで、待ってていい?」
「そっか。うん、わかった」
「今日は航と沙奈に、もう帰るって言っちゃったから、図書室で待ってるね」
「了解。部活終わったら、日誌だして速攻行く」
彼方は目を細めて、優しく微笑んだ。
そして私たちは、一旦そこで別れた。
図書室に着くと、同じクラスの図書委員の寺本くんがいて。
閉館の時間になると、鍵を預かって、自分の読みたい本を探す。
そして私が手に取ったのは、あの『タイム・リープ』という本。
この前読んだところの続きから、私は窓から吹く風と、部活をしている人達の声に耳を傾けながら、その本に読み入っていた。