【完】時を超えて、君に会いに行く。
どれくらいの時間が経っただろう。
引き込まれるような話に、私は物語の結末が知りたくて、次々にページをめくる。
それと同時に、私も小説書きたいな……なんて無性にもそんな気持ちになった。
こういう風に素敵な物語を見つけると、自分も書きたい衝動に駆られるから不思議だ。
……タイム・リープ、か。
その単語に物思いに更けてると、突然図書室のドアが開いた。
見るとそこには、走ってやって来た様子の彼方がいた。
「えっ、彼方……早くない?」
「部活終わって着替えたら、速攻行くって言っただろ?
まだ完全下校のチャイム鳴るまで時間あるし、ゆっくり未歩の話聞こうと思って」
うわっ、プレッシャー。
そこまでして聞くような話じゃないのに……。