【完】時を超えて、君に会いに行く。
もし、打ち明けたこの秘密を彼方が信じてくれなかったら、私はもう誰にも話せず、途方にくれていたにちがいないから。
「ありがとう、彼方。おかげで、少しだけ気が楽になった」
「ホントに?」
「うん。だって……」
私はきっと、誰かに話したかったんだ。
彼方に話を聞いてもらって、改めてそう思う。
ずっと背負ってた重荷を、少しでも軽くしたかった。
ひとりでは抱えきれない不安を、彼方と共有することで、半分にできた気がする。
ゴチャゴチャになってた心が、ようやく落ち着きを取り戻した。
あのまま彼方に信じてもらえず、誰にも話せないでいたら、自分を見失うところだったかもしれない。
そうならないで済んだのは、彼方のおかげだ。