【完】時を超えて、君に会いに行く。
「未歩」
きた……。
放課後になり、沙奈とバイバイしていると、聞き慣れた声が私を呼んだ。
「どうしたの? 航」
振り返ってみると、予想通り、航がいる。
「今日、美術室で待ってて」
前と違って、今の航はふくれっ面ではない。
だけど放課後に一緒に帰ろうとするところは変わらなかった。
「うん、わかった」
私はコクリとうなずく。
それと同時に、強く決意した。
絶対に航を事故にあわせたりしない。
航だけは、守ってみせる。
「俺も今日、一緒に帰ってもいい?」
……彼方と一緒に、守ってみせる。