【完】時を超えて、君に会いに行く。
すぐに航と彼方は美術室にやって来て、一緒に帰ることになった。
だけどやっぱり、航は不服そうで。
帰り道も、私たちより数メートル先を歩いている。
前と変わらない、小さな背中が見える〝金曜日〟。
本当にこのままでいいの?
ううん。ダメに決まってる。
絶対にこのままじゃ、また同じ結末になってしまうような気がする。
もう航があんな目にあうところなんて、見たくないの。
……どうすればいい?
私は、どうすれば……。
「未歩。大丈夫だから」
ギュッと目をつむった瞬間、私の耳元で優しい声が響いた。
隣を見てみると、彼方が目を細めて微笑んでいる。
まるで、何かを確信しているような、そんな顔で。