【完】時を超えて、君に会いに行く。


「先生!彼方は……っ!?」



私はいても立ってもいられない気持ちになって、そう聞いていた。



お願い……!お願いだから……!!




「一命は取りとめました」


「っ」



その言葉にやっと息を漏らし、呼吸の仕方を思い出せた気がした。


だけどそれも、束の間のこと。



「ですが、大きなリスクを背負っています。まだ危険な状態には変わりありません。
複雑骨折が非常に多く、下肢の方を著しく損傷しています。
詳しくはまた、ご家族の方が来られたら話しますね」



先生にの重々しい言葉に、私は悪い予感しかしなかったのだ。


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