【完】時を超えて、君に会いに行く。
絞り出したような声で、何度も幼なじみの名前を呼んだ。
すると、後ろから通りすがった人と肩がぶつかってしまい、はずみでよろっと前に一歩踏み出してしまう。
――その瞬間。
ふわっ。
誰かが倒れそうになった私を抱き寄せた。
なのに、私を吸い込むみたいに、目の前が真っ白になる。
……あ、れ?
またよろけてコケるのかなと思ってたのに、全然足が地面につかない。
……?
なにこの浮遊感。
まるで水の中にいるみたいに、ユラユラしてる。
……痛い。
膝じゃなくて、頭が割れるように痛い。
……気持ち悪い。
高熱のときにうなされるときよりもヒドイ吐き気が襲ってくる。
なんだ……これ……?
「未歩……」
…………?
…………誰……?