【完】時を超えて、君に会いに行く。
ひたすらに、もつれそうになる足を必死に動かした。
あてもなく、ただ、ただ、どこかに逃げたい。
もういやだ。
お願いだから、過去に戻してよ……っ。
どうして時間は、進むばかりなの?
「……うっ……うぁっ……」
嗚咽まじりの声がでて、呼吸しにくくなる。
このまま目の前が真っ白になって、ガンガンとする頭痛と、ひどい吐き気が私を襲ってくれればいい。
そしてゆっくりと意識をなくして……。
夢も見ないほど、深い眠りに落ちて……。
次に目が覚めた時、彼方が笑ってくれさえすればそれでいい。
それ以外はもう、なにもいらない。