【完】時を超えて、君に会いに行く。



ゆっくりと顔をあげると、痛いはずなのに、そんなのを感じさせなくらい、


彼方は幸せそうに笑ってる。



「みんなを守れて、むしろすっげー幸せ」



「……っ」



「だからさ、そんな顔しないで。
……過去に戻りたいとか、言うなよ」



彼方は私の眉がさがった表情を見て、そう言う。


鼻の奥がツンっとして泣きそうになるのを必死に抑えた。



無理だよ。



私はどんな方法を駆使してでも、過去に戻りたいって思ってしまう。



彼方を救いたいって思ってしまう。



まだ、タイムリープに賭けている。



なにかのはずみに、きっと元に戻ることができるはずだ……と。


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