【完】時を超えて、君に会いに行く。
あれ?そういえば……。
「……彼方。おじいさんとおばあさんは?」
周りを見渡して、ふと、疑問に思ったことを聞いてみた。
それは彼方の家族のこと。
「ふたりなら、朝まで眠らずにずっとそばにいてくれたみたいだったから、疲れてるだろうし帰ってもらったよ」
やっぱりだ。
やっぱり彼方は、自分より他人を優先する。
たとえ身内であっても甘えたりしないで、その優しさで、自分を犠牲にする。
辛いときは、無条件に甘えてもいいのに、まるで甘え方を知らない子供のように、彼方は誰も頼らない。
それってさみしい。
彼方は私たちを守れて嬉しいと言った。
……じゃあそんな彼方を、いったい誰が守ってあげるんだろう?
「…………」
……いるじゃん。
私がいる。
まかせてよ、彼方。
……今度は私が、彼方を守ってみせる。