【完】時を超えて、君に会いに行く。
もうお昼に近い時間になっていると知って驚いた。
そんなに彼方と一緒にいたんだ……。
と、思いながら病院の外に出ると、よく知ってる人が向かいからやってくる。
相手もこちらに気づいたようで「あ」と声をあげた。
「航……」
「なんだ、来てたのか」
「うん」
制服姿で大きい荷物を背負ってる航。
「部活だったんだ」
「うん。午前中な」
部活帰りに、彼方に会いに来たってわけだ。
「彼方、どうだった?」
「……目、覚めてたよ」
「ホントか……!?」
安堵する表情を見せ、私に問いかけてくる航に私は頷いて見せた。
「早く行ってあげたら?」
「おう。そーするわ」