【完】時を超えて、君に会いに行く。
気怠い体を起こし、確かめるように周りを見渡した。
外ではチュンチュンとスズメの鳴く声が聞こえる。
とても清々しい朝だ。
なんで私、ここにいるの?
おかしいよね。
私、さっきまで幼なじみと一緒に帰ってなかったっけ?
なのに今は、自分の部屋にいる。
航はどうなったの?
そう思った瞬間、さっきの光景が頭の中でフラッシュバックした。
航が私をかばい、事故にあって血まみれになった姿。
私の頭は、鈍器のようなもので叩かれたようにひどく痛んだ。
――ガチャ。
「未歩っ!」
そんなときに、いまだ状況が把握しきれていない私の部屋に、お母さんが怒った声を響かせ入ってきた。