【完】時を超えて、君に会いに行く。
「彼方、入るよ」
病室のドアを開け、中に入る。
もう慣れたもので、ノックすることもない。
すると彼方はちょうど、ベッドでリハビリしているとこだった。
「あ、未歩。いらっしゃい」
「こんにちは」
理学療法士さんもいたので、ペコっと頭を下げる。
足のマッサージをされてる彼方のそばに行き、その足を見た。
「痛くないの?」
「痛くないよ」
笑顔で軽々と答える彼方は、本当に平気そう。
理学療法士さんですらびっくりしているくらいに。
「薬のおかげかな」
「陸上でだてに鍛えた体のおかげじゃない?」
「はは。そうかも」
私の言葉に、彼方は笑って答えた。