【完】時を超えて、君に会いに行く。
「あれ、未歩今日はいかないの?」
「うん」
翌日。
沙奈は今日、バイトが休みらしいから彼方の病院に行くらしい。
だけど私は、昨日のことがあって、行く気になれなかった。
放課後、沙奈と別れると、航が私のもとまでやって来た。
「お前、なんで今日は彼方のところに行かねぇの?」
唐突にそんなことを聞かれる。なんでって言われても……。
「ちょっと話あるんだけど、来てくれる?」
無言でいる私に、航は教室の外を指差してそういった。
部活の練習着に着替えた航は、もうすぐ部活が始まるはず。
だけど、私に話があると言ってきた。
私はコクリとうなずいて、航のあとについて行った。