【完】時を超えて、君に会いに行く。


沙奈は彼方のこと好きだから、その言葉がショックだったのかな?



それとも私の見間違い?目が赤かったからって、別に泣いたって決まったワケじゃないのかもしれない。



でもどっちみち、彼方は私達から距離を置こうとしてるのは確かだよね。



「彼方はもっと、他人を頼ってよ。私たち友達でしょ?」



なんだか彼方に距離を置かれるのは、さみしい。



「でも、もったいないじゃん。俺なんか心配してる暇あるなら、みんなには自分のこと考えてほしい」



「え?」



「俺には未来なんてないからさ……。未歩達は、自分の夢を大切にしてほしい」



? 今、なんて言った?



最初の方がうまく聞き取れなくて、首を傾げる。



「未歩は、小説書いてよ」


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