【完】時を超えて、君に会いに行く。
「でも、書けてもずっと先かもよ?卒業とかしちゃってるかも……」
「別にそれでもいいじゃん」
「えっ?」
「急ぐ必要ないよ。未歩のペースで書いたらいい。
俺は待ってる。ずっと待ってるから。
だから、その物語が完成したら、1番に俺に見せてよ」
「…………」
どうして?
どうしてそんな風に、言ってくれるの?
未完成なまま、終わりも見えないこんな物語を、どうしてそこまで楽しみにしてくれるのか。
彼方の気持ちがわからない。
だけど私にとっては、それはすごく嬉しい言葉だった。
「うん、わかった。約束する」
「おっ、今言ったからな?約束だぞ」
「うん……」
だって私も、1番に彼方に読んでもらいたいって思ってるから……。