【完】時を超えて、君に会いに行く。
あのとき
真実を知ったのは、その日の放課後だった。
私はあれから気まずくって、彼方のところへ行けてない。
さすがに今はひとりでは行けなくて、航と沙奈に一緒に彼方のところへ行くように頼んでいた。
それに最近このふたりは、全然彼方のところへ行ってないし……。
「3人で行こうよ。ほら、部活終わったあとでもいいからさ!私、ふたりが終わるまで待ってるし!」
だけど、そうは言っても沙奈はすぐに首を振る。
ごめんねって謝るだけで、理由のひとつも教えてくれない。
「なんで?沙奈、いつもそればっかりじゃん。彼方に会いたくないの?」
「未歩、やめとけ」
文句を言う私を、すぐに止める航。
まただ。また航は、沙奈をかばう。
「航もなんで行かないの?彼方はなんにも言わないけど、本当はふたりにも会いたいって思ってるよ!」
「……俺は、まだ行けない」
「どうして?」
聞いても航は答えてくれず、ただもどかしい表情をするだけ。
……やっぱり変わらない。
大事なことは、いつもこうやってはぐらかされる。