【完】時を超えて、君に会いに行く。



色塗りも残りわずかな3人の絵を、名残惜しそうに見つつも新たな紙を手に取った沙奈。



「お願い?」



その絵を見て、やっぱり何かがもの足りない。彼方が足りない。と思いながら、沙奈に視線を向け、私は小首を傾げた。




「いつも通り、未歩にここで小説を書いてほしい。その姿をスケッチさせてほしいんだ」



「えっ!?」



それは、予想もしてなかったお願いだ。



「わ、私なんかを描くの?」



「うん」



「なんでまた……?」



「それはいずれ話すよ。今は、自由奔放な親友のワガママに付き合ってくれると嬉しいんだけどな」



そう言われると、何も言い返せない。



親友のお願いを、聞かないワケいかないじゃないか。


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