【完】時を超えて、君に会いに行く。


「うっす、彼方(かなた)!」



航はバシンと、机に伏して眠っている男の背中を叩いた。



「いった……。手加減しろよ航」



そして今、文句を言った彼が、航と1番仲のいい友達。


一瀬 彼方(いちせ かなた)。



私たちは、この4人で毎日仲良く過ごしている。



高校を入学してすぐ、私は沙奈と仲良くなり、航は彼方と仲良くなった。



1年の頃から同じクラスの私たちは、私と航が幼なじみということもあり、自然と4人で一緒にいることが増えた。



彼方も陸上部で、航と同じように短距離と長距離が得意。



陸上部にいた彼方を見て、彼方はすごい走りを見せて航を虜にしたらしい。



航はそんな彼方を気に入ってすぐに親しくなり、今では仲のいい友達であり、よきライバルでもあるっと自慢げに言っていた。



あとは、今まで出会った人の中で1番と言ってもいいくらいに気が合うとも言ってたな。



他人とは思えねぇんだよなーってつぶやいていた航の言葉を思い出す。
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