【完】時を超えて、君に会いに行く。


歩き始めるには目を開ける必要があること。


目を開けると、この世界に光が溢れていたことを、少女は教えてくれた。


それは、止まっていた時間が動きだす瞬間だった。


少年は心に決めるのだ。


自分を救ってくれた彼女の為に、自身の全てをかけて生きようと。


彼女と出会い、彼は再び笑顔を取り戻した。




そこで私の筆はピタリと止まった。


……待てよ?


もしも少年が社会に背を向けずに、懸命に前を向いて生きていたら、少女は現れる事も無く、この物語が紡がれる事は無かったのかもしれない。


少年が心に傷を負い、苦しみ、逃避していたから。


……少女は少年を救うために現れた。


ならばふたりの間には、なにかしらの絆があるんじゃないだろうか?


ここには根拠がない。


なぜ少女は、少年を助けたかったのだろうか?

この女の子には、意図がない。


設定が浅すぎる。

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