【完】時を超えて、君に会いに行く。
心臓がドキッとした。
このタイミングでなぜ、そんなことを聞くんだろうか。
もしかして、気づいてる?
このタイミングだからこそ、聞き出そうと思ったのかもしれない。
私に顔を向けることができないのは、それもあってのことだろうか。
それとも、私が気を使わなくていいようにそうしてくれてるの?
わからないけど、その両方な気がした。
「…………」
言わなくてもいいと思ってた。
これは私の中で、自己完結しとけばいいと。
「私達、親友でしょ?」
だけどそれは、逆に言えば自分勝手だったのかもしれない。
「……沙奈」
親友の名前を呼べば、描いてる鉛筆を止め、ゆっくりと顔をあげる。
やっと、実物の私を見てくれた。
「なに?」
私を見て、笑ってくれた。
真っ直ぐ向き合ってくれる友達に、これ以上秘密にしておく必要があるのだろうか……?