【完】時を超えて、君に会いに行く。

色褪せた原稿用紙



それは、翌日の出来事だった。


「なぁ、上原」


今朝学校に着くと、図書委員である寺本くんに声をかけられた。



「おはよう寺本くん。どうしたの?」


「今日の放課後あいてる?」


「え?うん、大丈夫だけど……」



彼方のお見舞いに行くつもりもなかったし、特にすることないし。



「じゃあ、放課後に図書室来てくんね?」


「うん、わかった」



真剣味のある言葉に、私はコクリと頷いた。



そのあと、寺本くんと離れて行ったのを見計らって沙奈が後ろから飛びついて来た。



「わ!ビックリした!」


「ビックリはこっちだよ!なになに!?寺本くん、未歩になんの用事?」


「私にわかるわけないじゃん」



興味津々に聞かれても、話したい内容なんて本人しかわからないんだから。


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