【完】時を超えて、君に会いに行く。
そのあとに、私はすぐに図書室に向かった。
寺本くんはすで教室の中で椅子に座って待っていて、手招きして私を呼ぶ。
「 悪いな、急に呼び出して」
「ううん、全然。 どうしたの?」
そう聞くと、寺本くんは少しバツが悪そうな表情をしてあたしにあるものを見せた。
「ごめん。ホントは見るつもりなかったんだけど、これ……」
「なにそれ?」
寺本くんが手渡してきたものを手に取る。
それは、1枚の原稿用紙だった。ずいぶんと年季が入っているのか、色褪せてしまっている。
古ぼけて読みにくい文字を辿っていくと、私は見覚えのある文章に息を呑んだ。
「昨日お前、図書室に残ってたんだろ?」
寺本くんの言葉が頭に入ってこない。
だって……。
「なに、これ……?」