【完】時を超えて、君に会いに行く。


私が目にしたのは、私が書いた形跡のある原稿用紙だった。


題名は空白のまま、名前を書くところに〝上原 未歩〟と書いてある。


かすんだ文字で、とても読みにくいけれど、確かに私の字で書いてある。



「それ、お前のじゃないの?」


「……寺本くん、これ、どこで見つけたの?」



質問に返してる余裕なんてなかった。


だってこれ、私の原稿用紙だけど、私のじゃない。


こんな色褪せた原稿用紙なんて、私、知らない。



切羽詰まった様子の私に、寺本くんはえぇっと……と思い出しながら説明してくれた。



「昨日、ここで見つけたんだよ。
俺、ここで図書委員の仕事してたんだけど、暇すぎて寝ちゃって、起きたら外は真っ暗で、やべーって思って立ち上がったら、図書室に誰かいたみたいで、俺の物音でそいつ慌てて部屋を出て行ったんだよ。
んで見たらこれが落ちてたから、上原が残ってたのかなって思って……」



慌てて部屋を出て行った……?


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