【完】時を超えて、君に会いに行く。


それだけじゃない。



引っかかるのは、今の航と沙奈の会話……。



私の記憶の中の月曜日でも、聞いたことがある。



航はテストのこと覚えてたけど、沙奈はすっかり忘れてて、焦って……。



確か今から、急いで数学の教科書を開いて、得意でもない私に飛びつくように聞いてくるんだ。




「ヤバイ!これはマズイよ!」



案の定、焦った表情の沙奈は、数学の教科書を自分のカバンの中から手に取って、今日の小テストの範囲のページを開きながら、私に飛びついてきた。




「未歩!どこでるの!?教えて!」



「わ、私に聞かれても……わかんないよ」




ドクンと、胸騒ぎがする。



なんで私は、知るはずのない月曜日を知ってるんだろう。



確かに一度過ごしたから……?



でも、あれは夢なんだよね?



じゃあどうして、夢と全く同じことが、目の前で起こってるの?
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