【完】時を超えて、君に会いに行く。
すると航はハッとしたように思い出し、みるみるうちに顔を赤く染めていく。
「ち、違う!あれは……!」
そして大きな声で否定すると、少し冷静になってから、そのまま続けた。
「あれは、沙奈にお前のことを相談してたんだよ……」
「な、にそれ……」
ビックリしすぎて、声がうわずってしまった。
そう言えば昨日、沙奈が言っていたかもしれない。
航に彼方のことを相談する交換条件で、航の相談に乗っていたって。
もしかしてそれって……私のことだったの?
信じられなかったけど、照れてる航からそれが嘘だとは思えない。
……航は私のことが、好きだったの?
「沙奈に後押しされて、本当は金曜日に告白するつもりだったんだよ。
でもお前、俺と二人きりになるの嫌がっただろ?
あの日彼方がいたから、伝えられなかった……」
「……あ」
思い出して、体が一瞬、強張った。