【完】時を超えて、君に会いに行く。
「ずっと後悔してた。どうしたら彼方の償いになるのか考えて毎日を過ごしてた。
だから、未歩に気持ちを伝えることができずにいたんだ」
「…………」
「でも、伝えない方がダメだってことに気づいた」
航は一歩、私に歩み寄る。
「だってちゃんと伝えなきゃ、俺は前に進めない。
ずっと罪悪感を抱えたまま、彼方にも顔向けできずにいるなんて、ダメだろ」
「航……」
「なんでだろうな。お前はちゃんと、前に進んでんのに、俺の時間は止まったままで……。
このままじゃ、未歩は離れていって、縮まることのない距離をどうやって埋めればいいんだろうって、すっげー悩んでた」
航が今にも泣きそうな声で、頼りない声で、そんなことを言う。
私にちゃんと、本音を……弱音をはいてくれた。
「あの日、意地なんて張ってないで伝えておけば良かった。
あの頃に、戻れたらいいのに……」
「……っ」
その言葉は、未来を変えた私の胸を締め付けるには、十分だった。