【完】時を超えて、君に会いに行く。
「今からしても遅いよ沙奈」
モヤモヤとしてる私の思考を遮ったのは、突然、ククッと笑みをこぼした彼方だった。
「彼方のバカ!数学できるからって余裕こいちゃって!私に教えてよ〜!」
ヤケクソ状態な沙奈は、すがるように彼方に頼む。
「わかったから、教科書見せて」
そんな沙奈に、優しく手を伸ばし、数学の教科書を手に取った彼方。
「たぶん、こことここはでるから。
例題見てこっちの問いをしとけば大丈夫。
で、やり方は……」
私も航も、沙奈の後ろから覗き込むように彼方の教え方を聞いている。
彼方は丁寧に、その問題の解き方を教えてくれた。
やばい、彼方……。
教え方うまっ!
めっちゃわかりやすい。