【完】時を超えて、君に会いに行く。




……どうして彼方は、声を荒げてまでここを開けるなと言ったんだろう。



見てはいけないとわかってる。


私はあれだけ、拒否されてしまったのだから。



でも……。



もしも、この中のものを見て、彼方がどこにいるのかわかるのなら……。


彼方が何に悩んでるのか、気づいてあげられるのなら……。





しばらくして、私は覚悟を決めた。




「……ごめん、彼方」



私は床頭台の扉へと歩み寄る。



迷惑がられるかもしれない。


踏み込んで来るなって、思われるかもしれない。



でも、いいや。


嫌われてもいい。



そしたら何度だって謝る。


許してもらえなくても、謝り続ける。



そして、彼方のこと、全部が知りたいんだって、私の素直な気持ちを伝えよう。




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