【完】時を超えて、君に会いに行く。


学校に戻った時には、もう下校の時間が過ぎている時間だった。



「航も沙奈も、もう帰っちゃったかな……」



学校も時期に閉まってしまう可能性がある。



それまでに、早く行かなきゃ。


私は校舎の中に入って、図書室に向かった。



シーンと静まり返ってる図書室。部屋の中は薄暗くて、少し怖い。



だけどオレンジ色の夕日が、キラキラと教室内を照らしていた。



それが、一筋の光に見えた。


「寺本くん、いる……?」



誰もいないとわかってて、そんな言葉を言ってみた。


ゆっくりと中に入って確認してみたが、やはり誰もいない。



「はあ……」



本日何度目かの、安堵のため息をつく。



さっきから心拍数がすごい。心臓がドキドキしてる。


やっぱり、私の勘違いだったのかな?


彼方がここに、いるワケないのに……。



今日はもうこのまま帰ろう。そう決めた私は図書室をあとにした。


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