【完】時を超えて、君に会いに行く。



けれど現実は残酷で、大好きな家族との時間は減っていった。


やがて母は疲労死、父は仕事に行く途中に事故死してしまった。


俺は突然、独りになった。


孤独。


それが全てのことの発端だった。



借金まみれの使い捨て人間を、周りの人間はゴミのような扱いでしか見てくれなかった。


だから俺は、自分の生きている時代が大嫌いだった。


この頃の俺は、本当に何もない空っぽな人間だったと思う。


家族も金も力も……なんにも。


こんな俺が生きていても意味がない。


唯一俺を必要だとしてくれた家族もいない。


他人の心臓を動かして生きてるだけの俺なんて……もう、どうにでもなればいい。



そんな風に、いつからか自分を大切にできなくなった。



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