【完】時を超えて、君に会いに行く。
毎日を過ごしていく中で、着実に俺は、上原未歩に近づいている気配があった。
いろんな学校を調べ、生徒の噂を耳にし、全校生徒一覧に書かれる名前を見て探す。
そんな小さな彼女探しの旅は、とある道端で終わりを告げることになった。
学校に行ったフリをする俺は、上原未歩探しを始め、行ったこともない道を歩く。
初めて見る景色はどれも刺激的で、俺の心を躍らせるため、この旅を飽きることはなかった。
そんなある日のことだった。
「ちょっと待ってよ、航っ!!」
「おせーよ、未歩!」
俺の横を、同年代に近い少年が楽しそうに走り過ぎて去った。
それを追いかけて、必死に女の子が追いかけていく。
……未歩……?
少年が呼んだ名前に足を止め、振り返った。
学ラン姿と、セーラー服に身を包む男女に、目が釘付けになる。
確信はない。
なのに、なぜだか彼女が、ずっと俺が探し求めていた〝未歩〟だと思った。