【完】時を超えて、君に会いに行く。
一連の運命を見守り続けた俺は、ようやく理解した。
未歩は、航の夢を奪ってしまったと自分を責め続けた。
そして、自分はどうすべきかとたどり着いた答えは、航の夢を奪った自分だけが、夢を叶えてはいけない。
そうして彼女は、自分の夢……小説を書くのをやめてしまった。
沙奈からそれらを聞いた航は、未歩に何度も訴え続けた。
「お前が夢を諦める必要なんかねぇから!」
「嘘、そんなこと思ってないでしょ!?そんな優しくしないでよ!もっと怒ってくれていいのに!走れなくなったのは私のせいだって、責めてよ!!
じゃないと私……航にどんな顔して会えばいいのかわからない……」
「…………」
ずっと仲の良かった幼なじみ。
本当は両想いなはずの幼なじみ。
ふたりの関係はどんどん、引き裂かれて行ってしまう。