【完】時を超えて、君に会いに行く。
そして、航と接点を持った俺は、必然的に未歩とも話す機会を得た。
「一瀬くん、だよね。航がいっつもお世話になっててごめんね?何かあったら私に言ってくれていいから!これからよろしくね」
「…………」
「一瀬くん……?」
「あ、うん。よろしく」
正直、見惚れていた。
ずっと会いたかった人と会えて……ましてや話しているっていうのは、すごく不思議な気分で。
笑顔の未歩を見ていると、あの悪夢のような運命は嘘でありたいと願ってしまう。
それから間もなく、俺は未歩、航、そして沙奈の4人で一緒に過ごすことが増えた。
沙奈が俺に恋心を抱いていたのは、持ち前の洞察力で気づいていた。
けれどそれには答えられない。俺は未来の人間だから。
俺がこの時代に紛れ込んで、沙奈の運命を変えたくはない。
けれど……未歩と航の運命だけは、変えてやると、決意していた。