【完】時を超えて、君に会いに行く。
だけどそれは引き換えに、未歩の体に大きな負荷を与えてしまうというリスクも伴うことになった。
俺の体なら、タイムリープすることになんの支障もなかった。
なぜなら俺は、未来人。
自然治癒力の進んでいる時代で生きてきたこの体は、簡単に朽ち果てることがない。
だからトラックに轢かれて足を怪我しても、すぐに回復することができたんだ。
それと同様に、タイムリープという負荷をかける行為にも耐久性のある身体なんだ。
でも、未歩は違う。未来を生きる人と違って、現代を生きる未歩の体にとって、タイムリープはとてつもない負担となる。
タイムリープするたびに、未歩はひどい吐き気と頭痛に悩まされていた。
2度目に時を超えたときは、倒れてしまったくらいだ。
時空を超えるということは、それほどまでに体に影響を与えてしまうということを悟った俺は、このままではいけないと思った。
このままじゃ、航が事故に遭う前に未歩の方に限界がきてしまう。
実際、未歩は苦しんでいた。
俺にタイムリープのことを打ちあけてしまうくらい、悩んでいたんだ。
だったら、俺にできることは……航の代わりになることだった。