【完】時を超えて、君に会いに行く。
俺はゆっくりと、首を横に振る。
「大丈夫。もう決めたから」
「……?」
「たとえこれがいけないことだとわかってても、未歩の未来を守り抜くって……」
ゆっくりと、未歩のまぶたに手をかざした。
目の前の彼女の瞳を覆いつくす。
「ごめんな……未歩」
「……っ」
その瞬間、未歩の全身の力がガクッと抜けた。
俺は咄嗟にその小さな体を受け止める。
目を開くことができないだろう。
きっとまぶたが重いはずだ。
意識がだんだん遠のいていけば、未歩は自然に忘れるだろう。
……今日の出来事を。
そして次に目が覚めたとき、どうか君が笑っていますように。