【完】時を超えて、君に会いに行く。




俺はゆっくりと、首を横に振る。



「大丈夫。もう決めたから」



「……?」



「たとえこれがいけないことだとわかってても、未歩の未来を守り抜くって……」



ゆっくりと、未歩のまぶたに手をかざした。



目の前の彼女の瞳を覆いつくす。




「ごめんな……未歩」



「……っ」



その瞬間、未歩の全身の力がガクッと抜けた。


俺は咄嗟にその小さな体を受け止める。



目を開くことができないだろう。


きっとまぶたが重いはずだ。



意識がだんだん遠のいていけば、未歩は自然に忘れるだろう。


……今日の出来事を。




そして次に目が覚めたとき、どうか君が笑っていますように。




< 334 / 420 >

この作品をシェア

pagetop