【完】時を超えて、君に会いに行く。
学校についてすぐに教室に行くと、もうすでに沙奈がいた。
「おはよう、沙奈」
「あ、未歩おはよう!聞いて!昨日、あの絵が完成したよ〜!」
「……あの絵?」
「うん!言ったじゃん!私がずっと描いてた絵」
「ええっと……」
……どこか記憶の片隅に、完成間際だったその絵が思い浮かぶ。
だけど……なんだろう?
この、モヤがかかったような感じ。
「もしかして、忘れちゃったの?3人の絵だよ。未歩と航と、私の絵!」
ギュッと胸が、締め付けられる。
――『…………に頼まれたの。3人の絵を描いてほしいって。
私の絵で、いつでも3人を見たいって』