【完】時を超えて、君に会いに行く。
「彼方っ!!」
毎日のように通っていた病院の、彼方の病室を勢いよく開けた。
だけどそこには、誰もいなくて。
部屋にあるネームプレートに彼方の名前がないことがすべてを物語っていたけど、自分の目で確認しないと納得いかなかった。
……どうしていないの?
私はナースステーションにいる看護師のもとへ行き、彼方のことを訪ねた。
「すいません、ここに入院している一瀬彼方ってどこにいますか?」
「 一瀬さん?そんな人、たぶんここにはいないと思いますが……」
看護師さんは名前を聞いて、不思議そうに首をかしげる。
念のため部屋番号と患者の名前のプレートを確認してくれたようだが、やっぱりそんな人はいないと、決定的なものを突きつけられた。