【完】時を超えて、君に会いに行く。
長くなるだろうと思ってた卒業式は、あっという間に終わった。
卒業生代表の答辞で、ほとんどの卒業生が涙を流していた。
私も、そのひとりだった。
そのあと、教室に集まって最後のホームルームを終えた私達は、教室でずっと今まで過ごしてきた友人や担任の先生と語り尽くしていた。
きっとみんな、離れがたくてここに居座ってしまうんだろう。
私だって、まだまだ語り足りない。
だけど、チラリと視線を時計へと向けた。
「未歩」
秒針の動きを見つめていると、背後から声をかけられる。
散々、周りの子たちに捕まっていた沙奈だ。
ようやく抜けることができたらしい。ちょっと困った顔で、私の元へと来てくれたみたい。
その手の中には、まるで転校生に送るかのように、たくさんのプレゼントがあった。